世界の果てに - 百年の光 -

いつものエルの態度に、あたしは「またバカにして!」と噛みついた。


そこから繰り返される言い合いは、今に始まったことじゃない。


頭にくることもあるけど、エルがあたしをちゃんと相手にしてくれていることが分かる。



もしかしたら…あたしの不安が伝わったのかもしれない。


それで、あたしを元気付けようとしてくれてるのかなー、なんて。


「…ったく、背が小さいと脳みそも小さいんだな」


………考えすぎかもしれないけど!


「だいたいエルってば、いつになったらあたしの名前呼んでくれるのよ!」


「ちびっこ」


「そんな名前じゃないっ!」


それにちびっこちびっこって、そこまで小さくないんですけど!?


157㎝って平均的だよね!?


「別にいいだろ。俺の中でお前はちびっこなんだよ」


「~もう、呼んでくれてもいいでしょ!そのうちあたしはいなく…っ、」


ーーーいなくなっちゃうんだし。


その言葉が最後まで言えなかったのは、急に現実味を帯びて、あたしの中に響いたから。


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