世界の果てに - 百年の光 -
俺たちが真実を知っているかどうか、ましてやアメルティカを目指してるかどうかなんて、直に連絡を取ってもいないリュウに分かる訳がない。
そこまで考えて、ふとある可能性に辿り着く。
「ーーーオーガ?」
自然と溢れた名前に、目の前のダルクは嬉しそうに笑った。
「すごいな、エル。そう…この国の第一王子オーガ様とリュウは、すでに繋がってるよ」
「そっか…オーガがあたしたちより先にこの国に戻って、リュウさんにあたしたちのことを伝えてたんだ…」
感心するような声でそう言い、ちびっこが足元を見つめていた。
…実際俺も、頭では分かっているはずなのに、感情が追い付かないでいる。
俺たちの知らないところで、事態は着実に動いていたなんて。
「オーガ様だけじゃない。リュウさんによると、国王の側近のフィオって子も、情報を共有してるって。僕はまだ会ったことないけどね」
「フィオ…?」
俺とちびっこは、同時に眉をひそめた。フィオって確か…例の魔術師だよな?
「どうしてこのブレスレットに魔術をかけて、あたしをこの世界の生け贄として呼んだ魔術師が…オーガやリュウさんと?」
額に眉を寄せたまま、ちびっこがダルクに訊ねた。
「詳しいことは分からないけど、彼も生け贄を捧げるってことが嫌みたいだよ」
肩を竦めたダルクの言葉に、ちびっこは何かを考えるようにして唇を結んだ。