世界の果てに - 百年の光 -
俺がちびっこの立場でも、複雑な気持ちになるだろう。
自分をこの世界に呼んだくせに、どうして助けようとするんだ、って…
「エル」
ダルクに呼ばれて、ちびっこから視線を移す。すると、躊躇いがちに口を開いた。
「…あさって、君たちとオーガ様が会うことも僕たちは知っている。そこに…その場に、リュウさんも加わることになったって」
「………!」
「そのことまで伝えて欲しいって、頼まれたんだ」
リュウが、来る。
たったそれだけのことなのに、情けないくらいに動揺する自分がいた。
ローアンを亡くしたあの日、仲間には散々「お前のせいじゃない、自分を責めるな」と言われた。リュウもその一人だった。
けど…本当は皆、心のどこかでは俺を憎んでるんじゃないかって気持ちが、ずっと拭いきれないでいる。
結局、俺は過去に向き合うのが怖いんだーーーー…
「……… 」
相当険しい顔をしていたであろう俺は、右手に温もりを感じるまで時間がかかった。
その違和感に視線を移すと、小さな手が俺の右手をそっと握っているのが目に入る。
そして、真っ直ぐに俺を見つめる黒い瞳と視線が絡んだ。