世界の果てに - 百年の光 -

俺がちびっこの立場でも、複雑な気持ちになるだろう。


自分をこの世界に呼んだくせに、どうして助けようとするんだ、って…


「エル」


ダルクに呼ばれて、ちびっこから視線を移す。すると、躊躇いがちに口を開いた。


「…あさって、君たちとオーガ様が会うことも僕たちは知っている。そこに…その場に、リュウさんも加わることになったって」


「………!」


「そのことまで伝えて欲しいって、頼まれたんだ」


リュウが、来る。


たったそれだけのことなのに、情けないくらいに動揺する自分がいた。


ローアンを亡くしたあの日、仲間には散々「お前のせいじゃない、自分を責めるな」と言われた。リュウもその一人だった。


けど…本当は皆、心のどこかでは俺を憎んでるんじゃないかって気持ちが、ずっと拭いきれないでいる。


結局、俺は過去に向き合うのが怖いんだーーーー…


「……… 」


相当険しい顔をしていたであろう俺は、右手に温もりを感じるまで時間がかかった。


その違和感に視線を移すと、小さな手が俺の右手をそっと握っているのが目に入る。


そして、真っ直ぐに俺を見つめる黒い瞳と視線が絡んだ。


< 485 / 616 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop