世界の果てに - 百年の光 -

「…大丈夫だよ、エル」


「………何、」


「大丈夫だから」


そう強く言い切って、ちびっこが笑う。


だから、「何言ってんだ」なんてとぼける台詞は言葉にならなかった。



ーーー情けない。


誰よりも強く不安を感じているはずのコイツに、背中を押されるなんて。


そうだ。いつだってちびっこは、崩れ落ちそうになる自分を奮い立たせて、しっかりと自分の足で進んでいた。


そしてその小さな手で、人の心を掬い上げて来たんだ。


「…何の心配もしてねぇよ」


これは虚勢じゃない。根拠のない自信でもない。


ーーーお前がいれば大丈夫だという、強い信頼だ。



握り返した手が、僅かに震える。


「…うん」


どこか安心したように、ちびっこが笑った。


その笑顔を見て、俺がしなきゃいけないことは、この笑顔を護ることなんだと…確かにそう思った。



ーーー決戦の日まで、あと三日。



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