世界の果てに - 百年の光 -

大きくてつぶらな瞳が、じっとオレを見つめていた。


その眼差しで思い出したのは、まだ幼い頃出会った一人の少女。


「………」


もう一度、会いたい。


素直な感情が沸き上がる中、そうだ、と決意をする。


ーーー全てが終わったら、彼女を捜そう。


すぐには見つからないかもしれない。でも、諦めの悪さならこの旅でたくさん学んだ。


「…よし。まずはリオとクリスを救わなきゃね」


微笑みかけると、クリスも微笑み返してくれたような気がした。


オーガとの待ち合わせは、あさって。


明日はきっと、最後の休息になる。



屋根の隙間から覗く夜空は、周囲の賑わいで明るく照らされていた。


どうか、全てが終わった後に見上げた空が。



どこまでも澄み渡る青空でありますようにーーーーー…



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