世界の果てに - 百年の光 -

「……ったく、何がアスティが死んじゃうー!だよ。ピンピンしてんじゃねぇか」


エルから心底面倒くさそうな視線を向けられ、あたしはアスティをキッと睨む。


「何でこんなとこで寝てたのよー!」


「え、クリスの毛並みが心地よくて」


「あんな襲われたような寝方しなくてもいいじゃないっ」


「あはは。そんな変な格好してた?」


アスティは何故か楽しそうに首を傾げた。…これは何言ってもダメだ。


「急に辺りが騒がしくなるんだもん。びっくりした」


「お前も何も気付かずに普通におはよう、だもんな」


その時の様子を思い出したのか、エルがくっと笑う。


あたしの悲鳴を聞いて飛び出してきたのは、エルだけじゃなかった。


宿主のおばさんも、宿泊客も、近所の人までも何事かと集まってきて。アスティがむくっと起き上がったときの衝撃は凄かった。


…それと同時に、あたしは半泣き状態で何度も頭を下げるはめになったんだけど。


「心配かけてごめんね、リオ」


アスティが眉を下げながら、あたしの様子を伺うような視線を向ける。


そんな顔されたら、あたしの敗けだ。

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