世界の果てに - 百年の光 -
何とかして止めたいのに、あたしが入り込んだところでで無事じゃいられないことは確かだ。
二人が握る剣は宙を舞い、あたしはその流れを追うのに精一杯で。
この腰にある剣で間に入って、「そこまでよ!」とか言えたら格好良いんだけど、さすがにそんなことは危険すぎて出来ない。
「ねぇってば!エル!アスティッ!」
力の限り叫んでも、聞こえないのか、それとも聞き流してるのか全く反応はなかった。
…何で、そんなに真剣な顔で攻撃しあってるの?
今までこんなこと、一度もなかったのに……嫌だよ…!
「ーーーっ、やめてっ!!」
「!?」
「バカッ…、」
剣と剣が弾かれ、エルとアスティの間に少しだけできた隙間。
気付けばあたしは、その隙間に向かって飛び込んでいた。
「ーーーーー…」
ぎゅっと瞑っていた瞼を、そろりと持ち上げてみる。
目の前には、エルの長剣の刃。恐る恐る振り返れば、アスティの二本の短剣の刃がピタリと止まっていた。
ごくりと喉を鳴らすと同時に、頭上から降ってきたのは怒号だった。
「〜〜〜っにしてんだ、このバカッ!!」
今までにない剣幕で、エルがあたしを睨む。