世界の果てに - 百年の光 -

この世界では、みんながみんな、平和に生きられるわけじゃない。


それは、あたしも身をもって体験した。


だからこそ、今回の戦いの中で…大切な仲間が傷つくのが怖かった。


「あたし……もしかしたら誰かが、いなくなっちゃうんじゃないかって」


声が、震える。それでもエルはちゃんとあたしを見てくれているから、伝えられる。


「あたしの為に誰かが傷つくなんて、嫌で…っ、そんなこと考えてたら、アスティが倒れてるように見えて…」


ぞっとした。それくらいあたしは、今回の戦いが激しいものになると、そう感じていたんだ。


アスティの手のひらが、あたしの頭を優しく撫でる。


「大丈夫。オレ、気配には敏感だから。そう簡単に敗けないよ」


「アスティ…」


「大体なぁ、お前に心配されるほど、俺たちは弱くねぇんだよ」


「いたっ」


でこぴんが突然飛んできて、あたしはおでこを押さえながらエルを睨む。


「〜だからって、それを証明するために急に斬り合い始めないでよっ」


「口で言ったってどうせ分かんねぇだろ、バカだから」


「バッ!?…もう、心配なんかしてあげないんだから!」


そう言ったあたしに、エルは満足げに笑った。

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