世界の果てに - 百年の光 -
階段を下りる度に、エルのオレンジの髪がサラリと揺れる。
太陽みたいだなぁと思った瞬間、何故か胸が苦しくなった。……ああ、これが。
"愛しい"って感情なのかなーーーーー…
「お早う、リオ」
「……あ、おはよアスティ」
クリスを撫でるアスティに微笑まれて、あたしはハッとして挨拶を返す。
あれ、いつの間に馬小屋に…っていうか、あたし…。
「あれ?顔赤いけど熱あったりする?」
「なななないっ!だ、大丈夫っ!!」
アスティの指摘に、あたしは慌ててぶんぶんと首を横に降った。
エルは眉を寄せてあたしを見ていたけど、目を合わせられずに深呼吸を繰り返す。
「……よ、よしっ。今日はどうする?」
若干上擦った声音でそう訊くと、うーん、とアスティが唸る。
「どうしよっか。この国を散策する…って昨日と同じ感じになっちゃうね」
「いんじゃね?それで」
「え?」
クリスをポンポンと優しく叩いていたエルが、視線だけあたしへ向ける。