世界の果てに - 百年の光 -
プレゼントしたい子って…もしかして。
「ーーーアスティ、好きな子いるの?」
ごくりと喉を鳴らして訊くと、答えはサラリと返ってきた。
「うん」
「……ええええ!!知らなかったんだけど!」
「あれ?言ってなかったっけ?」
首を傾げるアスティから、エルへと視線を移すと、その表情は特に驚いてはいない。
エルは知ってたんだ…そうだよね。あたしよりずっと一緒にいるもんね。
二人が恋愛の話してる姿なんて、想像もつかないけど。
「そっかぁ…アスティの好きな子…どんな子なの?」
訊いていいのか分からなかったけど、あたしの質問にアスティは嫌な顔はせずに考え出した。
「うーん、昔一回会っただけなんだよね」
「そうなの!?一目惚れ!?」
「そうなるのかな。瞳が印象的な子で、何か吸い込まれそうなったかも。…お姫様だったよ」
嬉しそうに話すアスティを見てると、本当に好きなんだなぁって感じる。見てるこっちまで、つられて笑顔になるくらいに。
それにしても……
ちらりとエルを見ると、興味なさそうにあさっての方向を向いていた。