世界の果てに - 百年の光 -
「あははっ、大丈夫!自分で選べ…」
笑って誤魔化そうとした時、あたしの横をエルの手がスッと通った。
そしてゆっくりとあたしの前に広げられた手のひらには、きらきらと輝く薄いオレンジ色の髪飾り。
髪飾りをじっと見つめたあと、あたしは視線を上げてエルを見た。
「ーーーエ、ル…?」
そんな、まさか。
信じられない思いと、淡い期待が交差して、胸がドキドキと高鳴っていく。
エルは眉を寄せたまま、ぶっきらぼうに言った。
「お前のイメージは、この色だ」
オレンジ。それは、あたしがエルに抱くイメージと同じだった。
ただ単純に、髪の色と言われたらそれまでだけど。あたしは…
「ーーーーー太陽みたいだろ」
その言葉に、思わず息を飲んだ。
目を丸くするあたしの黒髪に、エルが髪飾りを添えて、小さく笑う。
「ほらな」
「あ、本当だ。リオに似合ってるね」
アスティが感心したように言うと、エルは得意気に鼻を鳴らした。