世界の果てに - 百年の光 -
あたしはというと、丸印がある辺りを、じっと目を凝らして見ていた。
時計台の裏側。そこに、小さな丸い窪みがあるんだけど…何だろう?
「あれ、何してるの?リオ」
「あ、ここに何かへこんでるとこがあって…」
アスティに説明しようと、人差し指を窪みに当てると、そのままカチッと音を立ててへこんだ。
「えっ!?」
びっくりして、慌てて指を引っ込めると、さらに驚く光景が目に入る。
窪みがあった時計台の裏の部分が、音もなく消え去り、代わりに地下へと続く階段が現れた。
「………な、ななな何これっ」
「はーん。なるほどな」
エルは頭を掻くと、階段を覗き込み、あたしの頭をポンと叩いた。
「お手柄だ」
その視線は、階段の先へと続いていたけれど、口許が優しく笑っている。エルに褒められたことが、単純に嬉しかった。
「よし、進むか」
「そうだね。リオ、にやにやしてると置いてっちゃうよ?」
「にっ!?にやにやしてません!」
あたしは慌てて二人の後を追いかけ、階段を下る。