世界の果てに - 百年の光 -

「何よ、三人とも!すごーい、とか言えないのっ!?」


「オーガ、説明」


「ちょっとエルー!?」


スルーしたエルの態度に、ユーリがぷりぷりと怒りながら椅子に腰を下ろす。


オーガは苦笑しながら、作戦の続きを口にした。


「ユーリちゃんの言った通り、彼女は侍女だから城に入れる。そしてリオちゃんにも、新人の侍女として一緒に入ってもらう」


「あたしも、侍女として?」


「そう。衛兵は侍女の顔を把握なんてできてないし、新米なら身分証がまだ届いてない、とか何とでも理由付けできる」


オーガの説明に、エルが「衛兵いる意味あんのか?」なんて失礼な言葉を投げ掛ける。


「まーね。まさか国王を倒そうとして、侍女に化けた異世界の少女が来るなんて思ってもいないだろうな。城に入れればこっちのもんだ」


そう言って笑いながら、オーガの指が地図の上を滑る。


「女の子組は、まず食堂へ行く。そこで囚人用の食事を調達し、地下牢へ下りる」


「囚人用…」


「囚人用の食事を運ぶ侍女が、交代制でいるんだ。ユーリちゃんがちょうどその番だから、二人で地下牢へ行ってもらう」


あたしはできるだけ、オーガの作戦を頭の中でシミュレーションしながら耳を傾ける。

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