世界の果てに - 百年の光 -
ーーーそれでも、みんながいる。
みんなが優しく見守ってくれているから、どんなに情けなくても、頑張ろうと思える。
「…何度でも言ってやるよ」
不意に、エルがそう言った。
琥珀色の力強い瞳に、あたしが映る。
「ーーーお前一人で、背負ってると思うなよ」
涙が滲んだのは、当然のことだったと思う。それでも、きゅっと唇を結んで堪えた。
泣くのは、今じゃない。
全てが終わったら、思い切り泣いてーーー笑うんだ。
「…ありがとう、エル」
「声震えてんぞ」
「う、うるさいっ。そこは黙っててよっ」
ずずっと鼻を啜ると、みんなが笑った。明日で全てが決まるのに、穏やかな空気に包まれる。
「…今日話したのは、あくまで作戦であって、必ずしも成功するとは限らない。それでも俺は…信じてる」
オーガは静かにそう言って、笑った。
「この世界は救えると、信じてるよ」
その場にいた誰もがきっと、心に強い決意を抱いたと思う。
あたしたちがーーー世界を、救ってみせると。