世界の果てに - 百年の光 -
「…うん。そしたらやっぱり、フィオのせいなんかじゃない」
「え…」
「黒猫を…フィオを助けたのもあたしの行動だし、ブレスレットを拾って勝手につけたのもあたしの責任だから」
「リオさん…」
眉を下げてあたしを見るフィオに、フッと笑ってみせる。
「それにね、この世界に来れて、あたしはたくさんのものを貰ったから」
普通に生活していたら、決してできなかった体験。何より、この世界の大切な人たちに会えたことが、あたしには幸せなこと。
「…だからね、フィオ。あたしはこの世界を救いたいんだよ」
それは、この世界の皆の願いであってーーーあたしの、願いだ。
フィオはあたしの言葉に瞬きを繰り返してから、瞳を細めて微笑んだ。
「……オーガ様の、仰っていた通りの方だ」
「へ?」
「いいえ。…僕も、この世界を救いたいです」
そう言ったフィオの顔は、何かを決意したように晴れやかだった。その表情に、ホッと笑みが零れる。
「…あれ、フィオは何で捕まってるの?」
ふと、今は牢屋の中だということを思い出し、疑問を口にする。