世界の果てに - 百年の光 -

ーーーー…あれ?


この世界で出会った人々を思い出していたあたしは、あることに気付き固まった。


「?…リオさん?」


そんなあたしを不審に思ったのか、フィオが眉を寄せて首を傾げる。


…このブレスレットに魔術をかけたのは、フィオ。


そして色違いのブレスレットをオーガは持っていて、それにもフィオが魔術をかけたから、魔術の根元は同じ。


そしてもう一人。同じ魔術の根元を持つのはーーークリスだ。


「フィオ…」


「あ、はい。どうしました?」


「フィオは妹さんに変化術をかけたって言ってたけど…その動物って…馬?」


目を丸くしたフィオの反応で、答えは明らかだった。


「どうして分かるんですか?確かに、白馬に変化させました」


「………っ」


ーーー全てが、ここで繋がった。


クリスは、フィオの妹で。クリスの魔術は、フィオがいれば解ける。…人間に、戻ることができる。


「フィオ……さっき言ってた妹さんの名前は…?」


「マーサですけど…どうしたんですか?」


自分でも分かる、震える声で訊いた質問に、フィオは眉を寄せたままだった。

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