世界の果てに - 百年の光 -
薄暗い天井を見上げると、何故こんな所にいるのかと一瞬疑問に思う。
けれど答えは明確で、アイツを…救いたいからだ。
「…リオに、伝えられたらどうするの?」
遠慮がちに問い掛けられた言葉に、俺は思わず笑ってアスティを見た。
「何だよ。また俺のことが好きなのかって疑問投げ掛けられんのか?」
「それは……面白いけど」
「ははっ。第一、まだアイツの気持ちが俺に向いてるかなんか分かんねぇだろ。それに、もし…」
そこまで言いかけて、言葉が詰まる。首を傾げるアスティに、一呼吸置いてから続けた。
「…もし、そうだとしても。アイツは俺と同じように言葉にしないと思う」
「え?…どうして?」
「似てるからだよ」
アッサリとそう返した俺に、アスティは目を丸くした。
「ちびっこと俺は、どこか似てる。認めたくねぇけど、認めるしかない」
それは、出会ってから今日まで一緒に歩んできた中で、徐々に強く感じたこと。
負けん気が強くて、無鉄砲で。危険なことに自ら突っ込んでいく姿は、バカかお前と思ったけど、俺自身に重なる部分もあった。
似てると思い始めてから、俺が側にいなきゃダメだと思った。
誰かが護ってやらないと、すぐに壊れてしまうと分かったから。