世界の果てに - 百年の光 -
「…リオ、大丈夫。オレたちの剣は、フィオに魔術をかけてもらったから」
「フィオ…?会ったの?」
「ここに来る前に、地下牢でね。リオの剣も、魔術に対抗できるから」
あたしを目掛けて飛んできた光を、二本の短剣で弾き返したアスティは微笑んだ。
「みんなの想いを乗せた剣で、勝とう」
「……うん!」
ぎゅっと唇を噛み締めたあたしは、その場から一歩踏み出した。
大丈夫。あたしには、エルとアスティが…みんなが、ついてる。
まずはここに来るまでの間、エルの猛特訓で教わったことを思い出せ…!
「後ろだ!!」
エルのその声に反応し、あたしは体を左に捻った。スレスレの所で、光の矢が通過して床に刺さり、亀裂を残して光が消える。
避けられた、と安堵したのも束の間、すぐに次の攻撃が飛んできた。
「避けたはいいが、そのあとの構えがなってねぇ!」
あたしの首もとを掴み、ぐいっと後ろに引っ張りながらエルがダメ出しをする。
「敵は一回一回攻撃したら休んでくれねぇって教えたろ!」
「わ、わかってるってば!」
「はいはい、ケンカはダメだよ」
結局、あたしのまわりにはエルとアスティがいて、四方八方から飛んでくる光の矢から護ってくれている。
嬉しいし、心強いんだけど…このままだと国王に近付けずに、勝負は平行線のままだ。