世界の果てに - 百年の光 -

「…リオ、大丈夫。オレたちの剣は、フィオに魔術をかけてもらったから」


「フィオ…?会ったの?」


「ここに来る前に、地下牢でね。リオの剣も、魔術に対抗できるから」


あたしを目掛けて飛んできた光を、二本の短剣で弾き返したアスティは微笑んだ。


「みんなの想いを乗せた剣で、勝とう」


「……うん!」


ぎゅっと唇を噛み締めたあたしは、その場から一歩踏み出した。


大丈夫。あたしには、エルとアスティが…みんなが、ついてる。


まずはここに来るまでの間、エルの猛特訓で教わったことを思い出せ…!


「後ろだ!!」


エルのその声に反応し、あたしは体を左に捻った。スレスレの所で、光の矢が通過して床に刺さり、亀裂を残して光が消える。


避けられた、と安堵したのも束の間、すぐに次の攻撃が飛んできた。


「避けたはいいが、そのあとの構えがなってねぇ!」


あたしの首もとを掴み、ぐいっと後ろに引っ張りながらエルがダメ出しをする。


「敵は一回一回攻撃したら休んでくれねぇって教えたろ!」


「わ、わかってるってば!」


「はいはい、ケンカはダメだよ」


結局、あたしのまわりにはエルとアスティがいて、四方八方から飛んでくる光の矢から護ってくれている。


嬉しいし、心強いんだけど…このままだと国王に近付けずに、勝負は平行線のままだ。

< 575 / 616 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop