世界の果てに - 百年の光 -
∴つながり
「―――アスティッ!」
遠くに栗色の癖のある髪を見つけ、あたしは思いきり手を振りなから名前を呼んだ。
アスティはあたしに気付いたのか、ゆっくりと振り返る。
「…リオ?あれ、エルは…」
「それがっ…、クリ、クリスが…っ」
アスティの元まで駆け寄ると、あたしは乱れた呼吸でそう言った。
すると、アスティの眉がひそめられる。
「クリス?」
「アスティたちの…馬、でしょ?」
そう言いながら、アスティの腕を引っ張る。
「クリス、盗まれたみたいで、エルが今追ってるの!」
必死に状況を説明すると、アスティはやっと理解したのか、顔つきが変わった。
「…手綱の切口が刃物で切られたみたいだったから…なるほど、そっか」
「早く探して、助けてあげないと!」
「わかった、行こう」
あたしがアスティを誘導する形で、さっきエルと別れた場所まで走った。