世界の果てに - 百年の光 -
あたしは驚いて、辺りを見渡す。
「…え?誰なの?」
声の持ち主は、どこにもいる気配がない。
『私は、君をこちらの世界に招いた者だ』
「こちらの世界…?」
言っていることが分からず、あたしは首を傾げる。
『君には、重要な任務を課すことにした。私の元へ来て欲しい』
重要な任務って…
「ちょ、ちょっと待って。あたし、よく分からなー…」
『私の元へ来てくれたならば、説明しよう』
「………」
何、それ。
そんなこと言われたら、どこの誰かも分からない声の主についていくしかない。
だってあたしは、ここから出る方法を知らないから。
『そこから真っ直ぐ進めば、光が見える。そこを抜ければ、私の元へ着く』
「…わかった」
そう簡単に、信じることはできないけど。
でも、何とかここを抜け出せば、あとはどうにかなるかもしれない。
あたしは恐る恐る、足を踏み出した。