世界の果てに - 百年の光 -
ーーーーー……
ーーー……
「…ありえないっ!」
あたしは起きてすぐ、目覚まし時計をガッと掴んだ。
アラームをセットしたはずなのに、電池が切れたのか、時計の針は全く動かずに固まっている。
慌てて身支度を整え、バタバタと階段を駆け下りると、欠伸をしながら朝食を食べている兄の姿があった。
「莉緒、今日も寝癖ひどいぞ〜」
「うるさいっ!行ってきます!」
「大変だな〜就活生」
哀れみの言葉で見送られながら、あたしは家から飛び出した。
…あの日から、約4年の月日が流れた。
みんなに別れを告げたあの日、気付けばあたしは病院のベッドに横たわっていて、家族が心配そうに見守る姿があった。
大学受験へ向かう途中で黒猫…フィオを助けて異世界へ行ってしまったわけだけど、あたしが倒れていたのはまさにその歩道辺りだったらしく、すぐに病院に運ばれ、目覚めたのは翌日の朝だった。
つまり、たった一日の間で、あたしは未だかつてない体験を異世界でしていたということになる。
あれは夢だったのかと、そう思った。
でも、ベッド脇の棚の上に置かれていた髪飾り…エルがくれた髪飾りを見て、夢じゃなかったと安堵した。
それからずっと、髪飾りは御守りとしていつも身につけていた。
身につけていれば、いつかきっと、あの世界と繋がれるとーーーそう、信じて。
ーーー……
「…ありえないっ!」
あたしは起きてすぐ、目覚まし時計をガッと掴んだ。
アラームをセットしたはずなのに、電池が切れたのか、時計の針は全く動かずに固まっている。
慌てて身支度を整え、バタバタと階段を駆け下りると、欠伸をしながら朝食を食べている兄の姿があった。
「莉緒、今日も寝癖ひどいぞ〜」
「うるさいっ!行ってきます!」
「大変だな〜就活生」
哀れみの言葉で見送られながら、あたしは家から飛び出した。
…あの日から、約4年の月日が流れた。
みんなに別れを告げたあの日、気付けばあたしは病院のベッドに横たわっていて、家族が心配そうに見守る姿があった。
大学受験へ向かう途中で黒猫…フィオを助けて異世界へ行ってしまったわけだけど、あたしが倒れていたのはまさにその歩道辺りだったらしく、すぐに病院に運ばれ、目覚めたのは翌日の朝だった。
つまり、たった一日の間で、あたしは未だかつてない体験を異世界でしていたということになる。
あれは夢だったのかと、そう思った。
でも、ベッド脇の棚の上に置かれていた髪飾り…エルがくれた髪飾りを見て、夢じゃなかったと安堵した。
それからずっと、髪飾りは御守りとしていつも身につけていた。
身につけていれば、いつかきっと、あの世界と繋がれるとーーーそう、信じて。