世界の果てに - 百年の光 -
「アスティ、クリスってしゃべれたんだね!」
「…へ?」
あたしの言葉に、アスティはポカンと口を開けた。
「何だ、ついに頭おかしくなったか」
エルがそんなことを言いながら、あたしたちに近付いてくる。
「なッ、だって今、ありがとうって…」
『無駄です。わたしの声は、貴女にしか届きません』
そう言って遮られ、あたしは信じられない思いでクリスを見た。
…あたしにしか、届かない?
「…何で?」
『恐らく、わたしにかけられた魔術と、貴女がかけられた魔術の根源が同じだからでしょう』
「魔術の、根源…」
『はい。だからわたしたちの間で、繋がりが生まれたのだと思います』
つまり…あたしとクリスに魔術をかけたのは、同じ人物ってこと?
その魔術同士が反応して、クリスと話せるようになったの?
すぐには理解出来そうにない事実に頭を抱えていると、あることに気づく。