世界の果てに - 百年の光 -
クリスにかけられた…魔術?
「えっ!?クリスも魔術かけられてるの!?」
『…はい。わたしは、魔術をかけられる前は人間でした』
「ええっ!?クリスは人間…」
「だーっ!うるせぇなッ!!」
頭上に降ってきた衝撃に、あたしは口をつぐまざるを得なかった。
ほんの、一瞬だけど。
「いっ…たーい!!何すんのよッ!!」
あたしは頭を押さえながら、涙目でエルを睨む。
「エルひどーい。女の子に手をあげるなんて」
「アスティの言う通りよ!乙女を殴るなんて、エルの大バカ!」
「あのなぁ、お前が一人で騒いでんのがいけねぇんだろ!」
「だから!一人じゃなっ…」
そこであたしは、クリスの言葉を思い出した。
―――『わたしの声は、貴女にしか届きません』
…そうだ。
クリスの声は、あたしにしか聞こえないんだ。
あたしは落ち着きを取り戻すと、エルとアスティにクリスのことを説明した。