世界の果てに - 百年の光 -
∞第二章∞
―――――サレンティア王国。
この世界はひとつの王国として、そう呼ばれている。
サレンティア王国の中に、いくつかの国があり、それぞれ特色を持っている。
ここ『アメルティカ国』は、サレンティア王国の中で一番の大国であり、
―――全ての、始まりの場所であった。
「まだ見つからんのか?」
凛々しい眉をひそめたのは、三十代前半の男。
艶やかな銀色の髪は、惜しげもなく腰まで伸ばされている。
彼の名は、ジェイル。
―――この国の王である。
「…はい。まだ、行方が掴めておりません」
焦げ茶の髪の青年が、床に片膝を着く。
ジェイルはその青年を見て、淡い紺の瞳を細めた。
「お前が選んだ人間だろう?フィオ」
青年…フィオは、唇をキュッと結ぶと、頭を垂らした。