世界の果てに - 百年の光 -
不思議と、大地を踏みしめている感覚はあった。
落ちるかも、という恐怖が、徐々に薄れていく。
『…そうだ。そのまま直進だ』
声に促されるまま、あたしは前を見て進んだ。
すると前方に、微かな光が見えた。
暗闇の中に、光があると物凄く安心する…。
暫く歩くと、光はあたしの背丈と変わらない大きさになった。
『その光をくぐれば、そこから抜け出せる』
「………」
また、胸の奥がざわついた。
さっきよりも嫌な、この感じ。
まるで、この先に進むなと言われているような―――…
『どうした』
「あ…いえ」
この先に、何が待っているのかはわからない。
けど…進まなきゃ、何も分からないんだ。
光に触れようと、手を伸ばした、その時。
―――――こっちだよ、リオ
さっきまでとは別の声が、あたしに語りかけた。
あたしの手は、光に触れる前にピタリと止まる。