世界の果てに - 百年の光 -
∴二人の秘密
―――ああ、神様。
教えてください。
あなたはあたしに、何か恨みでもあるんですか?
「お前ら動くなよ!」
耳元で大声が響き、思わず顔をしかめる。
太い腕が首に回され、呼吸するのが少し苦しくなってきた。
「一歩でも動いてみろ!この女の命はないぜ!」
…あたしは今、いわゆる人質というものになっていた。
一人の大柄な男に、後ろから捕まえられたあたし。
対峙する場所には、エルとアスティ…それにクリス。
そしてあたしたちを取り囲むようにして、大勢の男が武器を構えていた。
この最悪な状況の中、エルとアスティは平然としている。
…なぜなら。
「おいちびっこ、お前は人質体質なのか」
「そんなわけないでしょーッ!」
エルの呆れたような言葉に、思わず反論する。
実は、この状況はもう三回目だった。