世界の果てに - 百年の光 -
クリスを助けたあたしたちは、とりあえず次の街を目指すことにした。
でも、舗装されていない山道は険しくて、中々進めない。
体力のないあたしはすぐにバテて、小休憩の繰り返し。
…そして見事に、隙をつかれて山賊やらなにやらに捕まっていた。
「リオは人質にされる天才だね」
「そんなのいやーッ!」
アスティは暢気に笑ってあたしを見ている。
エルは相変わらず呆れ顔だし…っていうか!
「~助けてよ二人共ッ!!」
「ええい、ごちゃごちゃうるせぇなッ!」
あたしを捕まえていた男が、ぐっと腕に力を込めた。
急に喉が詰まり、あたしは大きく咳き込む。
「…あーあ。うちのモノに手ぇ出してくれちゃって」
「大人しく逃げれば、見逃してあげたのにね?エル」
エルとアスティが、剣を構える音が聞こえた。
あたしは涙目で二人を見ると、大人しく口をつぐむ。
だって、何か…オーラが黒いよ。