世界の果てに - 百年の光 -
「ね、クリス、重くない?」
『平気です。この仕事なら、慣れていますから』
あたしが荷台から訊ねると、それを引くクリスが答える。
さすがにもう面倒事に巻き込まれたくないと言うことで、あたしは荷台に乗ることになった。
するとあら不思議、山賊に襲われることがなくなった。
たぶん、エルとアスティが異常な体力の持ち主で、全然休憩とらないからだと思うけど。
「クリスの心配すんなら、体力つけろ。んで痩せろ」
「んなッ!あんた乙女に向かって…」
「あ、段差」
アスティの言葉と共に、荷台が大きく揺れる。
その拍子で、あたしは荷台から転がり落ちそうになった。
『す、すみませんリオさん。大丈夫ですか?』
「う…うん。大丈夫」
あたしって本当、運が悪いんじゃないかな。
このブレスレットを拾ってから、ろくな目にあってない気がする…。