世界の果てに - 百年の光 -
ため息をつくと、あたしは空を見上げた。
生い茂る木々の隙間から、鮮やかなオレンジ色の夕焼け空が見えた。
…不思議な感じ。
空も大地も、木も花も、全てが同じなのに、ここはあたしの住む世界じゃない。
一体、あたしは何のためにこの世界に連れてこられたんだろう。
唯一の手がかりと言えば、魔術師の存在。
このブレスレットとクリスに魔術をかけたのは同一人物で、そいつを探し出せば、全てが明らかになるかもしれない。
でも、何も分からなかったら…?
「―――おい!聞いてんのか!?」
耳元で怒声が響き、あたしはまた荷台から落ちそうになった。
耳を押さえながら、あたしはすごい剣幕でこっちを見ているエルに噛みつく。
「何すんのよバカ!」
「てめぇが話聞いてねぇんだろ!」
「考え事してたのよ!悪い!?」