世界の果てに - 百年の光 -

ふと頭に浮かんだ質問を、あたしは何も考えずに口にした。



「エルとアスティって、どうして盗賊になったの?」



言葉にしてから、あたしはアスティの見せた表情にドキッとした。


アスティはとても…悲しそうに笑ったから。


「うん…何でだろうね」


訊いちゃいけないことだったのかもしれない。


そう判断したあたしは、慌てて話題を変える。


「や…やっぱりそれはいいや!えっと…アスティの好きな食べ物って何!?」


―――ああ、あたしのバカ。


思わず頭を抱えたくなるほどの質問に、アスティはやっぱり笑った。


「オレ、イチゴミルクが好き」


「………いちごみるく」


「うん、イチゴミルク」


アスティが普通に答えるから、あたしは思わず口をポカンと開けてしまった。


そんなあたしを見て、アスティはまた笑う。


「リオって、面白いね」


肯定も否定も出来ず、あたしは曖昧に笑い返した。


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