世界の果てに - 百年の光 -

「アスティはエルを、エルはアスティを大好きなんでしょ?だったら何も問題ないよ!」


「…リオ」


アスティは少しだけ驚いた顔をして、すぐに笑った。


「オレは、リオも大好きだよ」


「…ええ!?」


「クリスも大好き。…みんな、大事なんだ」


そう言ったアスティは、本当に幸せそうに笑った。


だからあたしも、自然に笑顔になった。


「うん、あたしも。みんなが大好―――…」


そこで言葉が途切れたのは、アスティに急に腕を引かれたから。


驚くあたしの耳に届いたのは、何かがぶつかるような鈍い音と、



「―――ちぇ、バレたか」



背筋が凍るような、冷たい声。


「リオ、突然引っ張っちゃってごめんね」


「だ…大丈夫」


後ろを振り返って、ぞっとした。


さっきまであたしがいた場所には、大きな刀が突き刺さっていたから。


「エル!」


アスティが叫ぶと、エルば弾けるように体を起こした。


< 84 / 616 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop