世界の果てに - 百年の光 -
「アスティはエルを、エルはアスティを大好きなんでしょ?だったら何も問題ないよ!」
「…リオ」
アスティは少しだけ驚いた顔をして、すぐに笑った。
「オレは、リオも大好きだよ」
「…ええ!?」
「クリスも大好き。…みんな、大事なんだ」
そう言ったアスティは、本当に幸せそうに笑った。
だからあたしも、自然に笑顔になった。
「うん、あたしも。みんなが大好―――…」
そこで言葉が途切れたのは、アスティに急に腕を引かれたから。
驚くあたしの耳に届いたのは、何かがぶつかるような鈍い音と、
「―――ちぇ、バレたか」
背筋が凍るような、冷たい声。
「リオ、突然引っ張っちゃってごめんね」
「だ…大丈夫」
後ろを振り返って、ぞっとした。
さっきまであたしがいた場所には、大きな刀が突き刺さっていたから。
「エル!」
アスティが叫ぶと、エルば弾けるように体を起こした。