世界の果てに - 百年の光 -
素早く剣を構えると、視線を周囲に巡らせる。
「…また山賊かよ。面倒くせぇ」
エルは舌打ちと共にそう言った。
あたしはずらりと並ぶ山賊たちを見渡すと、唇をぎゅっと結ぶ。
…人数が、多すぎる。
いくらエルとアスティが強いからって言っても、こんな人数を相手にするなんて…
「リオ、クリスのそばで大人しくしてて」
アスティに促されたけど、あたしは躊躇った。
「でも…っ、」
「おいちびっこ!」
エルのよく響く声に振り向くと、真剣な瞳があたしを見ていた。
「アスティの言う通りだ。引っ込んでろ」
有無を言わせないその気迫に、あたしが動けずにいると、脳内に声が響く。
『…リオさん。ここはお二人に任せましょう』
「クリス…」
いつの間にか目を覚ましていたクリスが、あたしに語りかけた。
少し躊躇ったあと、あたしは頷く。