世界の果てに - 百年の光 -
山賊はおどけるように肩を竦める。
「何の話だ?俺はそのお嬢ちゃんから、髪飾りを返して貰おうとしただけだぜ?」
「嘘つけ。てめぇコイツを殺そうとしただろ」
―――え…?
エルの言葉に、あたしは目を見張った。
「殺気隠しきれてなかったぜ。…ふざけんじゃねぇ」
じゃあ、あたしがさっき感じた感覚は…
「―――リオ!」
足の力が抜けて、あたしはその場にしゃがみこんだ。
身体が震えて、ぎゅっと目を瞑る。
「…交渉決裂だ」
エルの冷ややかな声が、頭上で響いた。
同時に、金属同士がぶつかり合う音が聞こえる。
「リオは、オレたちの後ろに隠れてて」
アスティの優しい声で、震える身体を自分で抱き締めながら顔を上げる。
…どう見たって、おかしかった。
どうして、エルとアスティに対して、何人もの山賊が一度に向かっていくの?