世界の果てに - 百年の光 -
じゃり、と砂を踏む音が響く。
見ると、エルがあたしに向き直っていた。
「…なら、覚悟を決めろ」
「………覚、悟?」
エルの眼差しが、ふと下を向き、またあたしを見た。
「俺たちが死んだとしても、生きる覚悟を」
言葉が、詰まった。
その真剣な瞳は、冗談を言っているようには思えない。
「俺たちが盗賊であり続ける限り、今日みたいなゴタゴタは必ずやってくる」
隣にいるアスティは、エルの言葉に眉を下げて微笑んでいる。
「俺たちがどんなに傷付いたとしても…最悪、死んだとしても。お前は生きて、旅を続けていけるか?」
エルの言葉は、いつも正しい。
ここであたしが首を横に振れば、きっとアスティが言ったみたいに、安全な道を辿れって切り捨てられる。
…けどそれは、あたしを想っての言葉。
一緒にいたいという気持ちだけで生きるのは、この世界では難しいんだね。
それでも、あたしは―――…