世界の果てに - 百年の光 -
小人って…物語の中だけのものだと思ってたけど、実際にいるの?
実際っていうか、この世界では、だけど。
「つーか小人族って、絶滅したんじゃなかったか?」
エルの言葉に反応した長老は、視線をエルに向けた。
眉毛がもじゃもじゃすぎて、目は見えないけど…。
「世間では絶滅した、とされておる。…詳しいことは、里で話そう」
「里?」
首を傾げたアスティに、長老は頷く。
「そうじゃ。実はお主らに、お願いがあって来たのじゃ。わしらの里に、一度来てくれぬかの?」
「内容によるな」
バッサリとそう答えたエルは、疑いの眼差しを長老に向けた。
「あんたの願いを受けることで、俺たちに得はあんのか?」
「ちょ、ちょっとエル!得があるかっていう問題じゃ…」
「何だお前、また面倒事に巻き込まれてぇのかよ」
ぐっ、と言葉を詰まらせると、長老の笑い声がひびく。
「ふぉっふぉっふぉっ。面白いやつらじゃ。…わしの願いを聞き入れてくれたなら、お主らの望むことを何でもしよう」
「…何でも?」
長老の言葉に、エルの耳がピクリと動く。