世界の果てに - 百年の光 -
そこに小人の姿は見当たらない。
「?ねえ、一体どこに…」
「まぁ見ておれ」
長老は岩の前に手をかざすと、複雑な言葉を唱え始めた。
すると、長老の手のひらが光り、その光は徐々に岩を侵食していく。
「う、わ…!」
岩全体が光に包まれたかと思うと、次の瞬間には、大きな岩の姿は消えてなくなっていた。
代わりに現れたのは、大きな穴。
「…へぇ」
エルが感心したように声を上げる。
でも、これってもしかして…
「さぁ、穴に入るのじゃ!里に繋がっておる!」
………やっぱり?
恐る恐る穴を覗くと、真っ暗で底は見えない。
ここに入って、生きていられるの…?
ごくりと唾を飲み込んだ、その時。
「行け。ちびっこ」
背中を押され、気づけばもう、あたしの身体は―――…
「きゃあああぁぁぁぁッッ!!!!」
―――落下していた。