さとみみさと先輩
保健室の先生が小声で
「いつでも、相談に乗るからね?」
と言ってくれた。

「いじめられてないので大丈夫です。」
と先生が遠回しにした言葉をそのまま返した。

ふっと先生が笑ったので僕は一礼して保健室を出た。

教室に戻ると、水野さんがこっちを見てる。
めっちゃ見てくる。

ん?と首を傾げると、水野さんが言った。
「田中くん、あの…いじめられてるの?」

小声で言った。
デジャヴだ。

「いじめられて無いです」
無表情で返事をする。
「そう。ならいいんだけど…石を投げられるってあたし、漫画でしか見たことなくて、ちょっとびっくらこいちゃった。」

びっくら?
ちょっと待って、今、びっくらって言ったよね?

「水野さんて、江戸っ子なの?」

そう言うと水野さんの顔が徐々に赤くなる。
僕の江戸っ子なのかという質問もどうかと思うが、水野さんの反応もどうかと思う。

でも、赤くなった水野さんは可愛かった。

赤くなった水野さんはヒステリックになってしまった。
「キャー、なんでバレたの?
ギャー、田中くん、忘れて!」

ギャーギャー、ギャーギャー叫ぶ水野さんの
せいで僕に冷たい視線が注がれる。

僕のせいじゃないというアピールを両手を開いて左右に振り伝えるも、効果なし。

「分かった、忘れます。忘れる。落ち着いて!」

しかし、収まらず、通りかかった先生が保健室に連れて行った。
僕の動機が激しい。

5分くらいたった頃、校内放送で、呼び出されたのは言うまでもない。


こんな感じの情けない僕の自己紹介は終わり。
次からは彼女と関わりを持つまでの話。

よろしくね。
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