あの子は、王子!?
 





 だけど、優輝と一緒に居る時間は僕達が成長するにつれてますます減って行く。
 僕は私立の高校に上がり、あの子も別の私立に上がったと聞いた。

「会いたいなぁ」

 ポツリとつぶやいた言葉に、クラス中の皆が反応する。

「なんだなんだ?誰に会いたいんだよ。ついにアゲハにも春が来たってか」

「ん?そんなんじゃないけど、僕の大好きな子に会いたいの。それに、春ならとっくに来てるしね。僕にはあの子だけなんだから」


 そう言うと、休み時間のクラスは一気に沸く。

 しかも。クラスや校内を見回しても、男、男、男。

 何しろ、ココは男子校なのだから。



 ―蝶side End
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