大好きじゃなきゃダメ!
「その『中藤君』ってのやめねぇ??」
「……え?」
「だって俺ら付き合ってんのに……おかしいだろ?」
じゃ、じゃぁ何て呼べば……って、やっぱ名前だよね……
「俺は、ゆずきって呼ぶから俺の事は……あー…別になんでもいいや、好きに呼んで」
き、決めてほしかった!!
「あ、私の事っゆずでいいよ!ゆずきって呼びにくいしねっ」
『ゆずき』って呼ばれると何か特別な感じがする。
普段は『ゆず』って呼ばれることの方が多いし……
「ん、じゃぁ『ゆず』な」
「うんっ」
「よっし、じゃ行くか!ゆず!」
「うん!……は、春斗君」
一瞬離れた手をまた握り直して
中藤君が私の手を引いて
玄関までの距離を走った
それに答えるように
私もしっかり手を握って春斗君の
後ろを走った。