Cプロジェクト

ピンポーン
浅田からの電話が切れた時、
玄関のチャイムが鳴った。
「今度はなんだよ!」

『すぐに分かる。』
不意に浅田が最後に言った
言葉が頭を過ぎる。

ハッとなり玄関に走る。
ガチャッ
ドアを勢いよくあけた。

そこに居たのは長い髪の
白いワンピースを着た一人の女の子。
恐らく自分と同い年だろう。

「初めまして。」
女の子はにこっと笑う。
龍斗はどうしたらいいか戸惑っていた。

「えっと…とりあえず中に入る?」
女の子はゆっくりと頷く。

リビングに案内し、
ソファに座らせた。
「…飲み物いる?」
気を使いながら聞いた。

「お構いなく。
父に頼まれて来ただけだから。」
「父?」

「私の名前は、浅田 凜よ。」
龍斗は驚いた顔をみせた。

凜はクスッと笑う。
「あなたに詳しい話をしにきたの。」
「Cプロジェクトか?」
「そう。」

「Cプロジェクトは
cloneプロジェクトのことなの。」
「クローン?」
龍斗は難しいことは分からない
と言った表情をみせる。

「クローンは細胞から全く同じものをつくることよ。
ほらクローン羊とか知らない?」

龍斗は何も言わなかった。
というより分からなかった。

凜は話を続けた。
「父は…いえ政府は
それを人間で試そうとしたの。
それで選ばれたのがあなた、」

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