萌恋!
黒色の短い髪
凛々しい瞳
たくましい体
いや違う……
すべてが…すべてのパーツが……
柊様だ………
嘘…でしょ……
なんでこんなところに柊様が……
「美羽!この人だよ!昨日言ってた人!」
似ている…
いや、似ているなんてレベルじゃない……
「ちゃんと謝れば済む話だろ?」
よく見てみると、柊様の目の前に、さっき私に告ってきた人がいた。
「おお…おまえからぶつかってきたじゃないか!!」
その人の体が震えていた。
「た、ただそれだけなのに!ガ、ガラスを割ることはないだろ!!」
震えてるよ…
男なのに情けない。
私の目には、柊様に似ている人しか視界に入らない。
ドクン…
なに…この気持ち…
柊様に似ている人の手が出血している。
何にも臆さない度胸
血が流れているのに
人から注目が集まってるのに
動揺1つしない。
カッコイイ……
ドクンドクン…
息が苦しい。
「ねぇ…裕子。」
裕子が私を見る。
「なに?」
「ドキドキする…。」
「えっ?!」
「すごいドキドキして…胸が苦しいよ……。」
「あ、あんたまさか……」
――好き――
この言葉しか浮かばない。
私………
「あなたのことが好きっ!!!」