萌恋!
「美羽!」
あれ……?
私はいつの間に立っているんだろう
しかもあんぱんを片手に。
クラスのみんなが私を見ている……
「あたしが恥ずかしいから、早く座って。」
親友の早乙女裕子(サオトメユウコ)に言われ、おとなしく座りこむ。
私が座ると、クラスのみんなが笑いだした。
「恥ずかしいからやめなさいよ~美羽!」
そう、私の名前は美羽。菊地美羽!
「聞いてる?!」
「ごめん、ボーッとしてた。」
裕子がため息をつく。
「あんたはいっつもいっつもいっつも………雪村柊のことしか頭にないんだから……。」
「当たり前でしょ?!」
机の中からゲームを取り出す。
「柊様が出ている、あの格闘ゲームが出たんだよ?!」
裕子がまたため息をついた。
「本当にこりないんだねー。」
「こりないに決まってるでしょ!!柊様は私の初恋の人だよ?!」
太陽の光にゲームをあてる。
「今日は1日中やりこむの!1日中柊様に会うのっ!」
「いや、あんたの部屋、柊のポスターやらフィギュアだらけじゃん。」
私は裕子を睨む。
「裕子にやらせてあげないよ~?」
「ごめん!悪かったって~!あたしにもやらせて!」
「しょうがないなぁ~!」