萌恋!
【菊地美羽】
退屈でしょうがない授業。
先生が黒板に、問題を書いている音と、それを生徒たちが書き写す音が響く。
よく真面目にやれるなー……
私は教科書すら開いていない。
あーあ……早く家に帰りたいなぁ……。
早く柊様に会いた……
青沢のことがフッと浮かぶ。
青沢に会いたい。
そう考えると、休み時間が待ち遠しくなる。
はぁ……早く時間経たないかなぁ。
「菊地ー。」
黒板に向かってた先生が、急に言い出した。
「ふにゃ?」
「ふにゃ?じゃないだろ。」
しょうがないじゃん、口癖なんだもん。
「黒板写してるのかー?」
「写してないですけど?」
きっぱりと答えると、先生がふり向く。
「おまえなぁ……堂々と言うことじゃないだろ。」
じゃあ、嘘でもいいから、悪気があるように言えって言ってるの?
それって変じゃない?
「とにかく、早く写せよ。」
再び先生が黒板に向き合う。
めんどくさいなぁ
なんのために授業をするんだか……。
いーや、あとで裕子に見せてもーらおっと。