萌恋!
「あっぶねぇ…。」
青沢の声が聞こえて、ゆっくりと目を開ける。
し…死んでない……?
それどころか、痛みすら感じない。
「おまえなにしてんだよ……。」
私はいつの間にか、青沢の腕の中にいた。
な……なんで……?
ドクンドクン……
腕の中にいるとわかった途端に、鼓動が速くなる。
甘い香りがする……
青沢…暖かい……
このままずっと……ずーっと青沢の腕の中に包まれていたい……。
しかしそうもいかなく、腕が離れた。
「ったく……なにやってんだよ……。」
青沢は倒れこんだままため息をつく。
私は知ってるんだ
青沢は冷たくて、一匹狼だけど……
本当はすごい優しい……。
まるで柊様みたい!
「いい加減離れろ!おまえ重いんだよ!」
嫌だ。
まだ言ってないことがあるから
「私…青沢のこと……好き。」
青沢が私の顔を見つめる。
あなたに見つめられると、胸が苦しくなって
もっと一緒にいたくなる
もっと知りたくなる
愛しいよ……
「無理。」
またフラれた自分。
青沢はその一言を言うと、無理矢理私を立たせて逃げだした。
「ちょ…待って!」
再び、青沢を追って走りだす。
いくら無理だって言われても、私が青沢のことを好きなのは変わりない。
まだ、好きが言い足りない。