萌恋!
男の子は風船がしぼんだように、元気がなくなった。
「あの…なんだかすいません。」
俺…なに謝ってるんだ?
その人は一瞬にらむと、俺から離れていった。
「怪しい人に近づいちゃダメって言ったでしょ!!」
「怪しくないもん!優しいお兄ちゃんだもん!」
聞こえないように言っているつもりだろうけど、普通に聞こえていた。
男の子は悲しそうに俺を見る。
なんだよ……
なんなんだよ……
次こそ公園を立ち去った。
怪しい人か……
だらしなく着こなす学ラン
両耳にピアス
この姿を見て、危ないやつだと思ったんだろうな。
このいらつきに堪えられなくなり、近くにあった壁を何回も叩いた。
てめぇらが俺をこんなにしたんだろ?!
おまえが悪いみたいな顔をしやがって……!!!
俺の人生をめちゃくちゃにしたのは、おまえらだ!!!