萌恋!
「鉄パイプが顔面に当たっただけで気絶するなんて、どんだけ弱いボスなんだよ…。」
ようやく状況を理解する。
「でも、ステージが難しくてボスが弱いってことはよくあるよ?」
「あ~まぁたしかにな。」
青沢が立ち上がる。
「帰るぞ。」
青沢が1人で歩きはじめた。
「ま、待って!」
青沢が止まって振り向いた。
「早くしろっつーの。」
いつもなら置いていく青沢が、私を待ってくれた
いつもなら返事もしない青沢が、返事をしてくれた
「ありがとう!!」
今なら……今なら!
「好きっ!好きだよ!!」
青沢が歩きはじめる。
「あっそ。」
結局いつも通りの返事が返ってきた。
でも、助けてくれたのは事実
そして、どんなに冷たくされても、好きなことは事実だから……
夕焼けに照らされながら、青沢を追いかけた。