萌恋!
ドアが開く音が微かに、でも確かに聞こえた。
「おまえ……なにやってんだよ!!」
いつもより焦った顔で私を見ている。
「青沢…来てくれたんだぁ……。」
来てくれた、それだけで嬉しくて意識がはっきりとしないのにも関わらず、笑みがこぼれだした。
「笑ってる場合じゃねぇだろ!あれからずっとここにいたのかよ!?」
「そだよ…ずっと……ずっと待ってた。」
青沢は血相を変えて私を家の中へと運ぶと、タオルを持ってきてくれた。
「ありがとう……。」
青沢の香りがするタオルでびしょ濡れになった体を拭くと、やっと意識がはっきりしてきた。
「ほら。」
ぶっきらぼうに渡された、暖かいホットミルク。
一口飲むと体の中から暖まり、心も温まった。
「やっぱり…青沢って優しいね。」
青沢は心配そうに見ていた瞳を隠すように頭をかく。
「知らねーよ。それより、なんであんな寒いところにずっといたんだよ。」
私は真っ直ぐ青沢の瞳を見た。
「青沢が学校を楽しく思っていないなら、私が楽しくさせる!!」
青沢は呆然とした顔をさせたけど、一瞬にして困惑した顔になる。