萌恋!
「行く!!絶対行く!!授業全部サボって行く!!」
私が必死にそう言うと、青沢がいつもの冷たい表情に戻って立ち上がった。
「なら今すぐ帰れ、親が心配するぞ。」
また冷たく言われたけど、その冷たさの中に優しさが入っていることを私は知っている。
「ううん、大丈夫。じゃあ私帰るね!」
まだ服が濡れているけど、心は充分暖かかった。
あまりの暖かさに雨が降っていることも忘れて、傘もささずにスキップをした。
「傘ささないんじゃまた濡れるだろ!」
優しい青沢の声が、雨の夜へと静かに響いて消えていったけど、私の中ではずっと響いていた。