萌恋!
誰………?
ゲームを1度停止し、リビングへと向かう。
やっと柊様と会えたのに………
邪魔したのは誰?!
電話機を乱暴に取る。
「はい。」
「美羽!!」
電話ごしから聞こえた声は裕子だった。
「何?今ゲーム中だったんだけど……。」
「そんなこと言ってる場合じゃないよ!!」
そんなことじゃないんだけど……
柊様に会うことは、人生の中で1番楽しみなことなんだよ
裕子ならわかってるはずなのに……
「何?」
裕子が間をおいて言った。
「柊が……雪村柊がいたんだよ!!」
…は?……
「裕子…ついに頭おかしくなった?」
「ち、違くて!柊に似ている人がいたの!」
似てる人………?
「いるわけないじゃん。」
いるわけがない
あんなにかっこいい人は、現実に絶対いない。
「じゃ、切るよ。」
「本当なの!さっき見かけ……」
ピッ
裕子が話しているのにもかかわらず、容赦なく切った。
まったく……。
電話機を置くと、急いで部屋に戻った。
いるわけ…ない……
ゲームを再開した。
それと同時に柊様を操る。
強くて
真っすぐな瞳
迷いのない心
整った顔立ち
完璧なあなたが……
この世にいるはずがないよ………。