萌恋!
青沢が頭をかく。
「めんどくせぇ…。」
青沢の腕をしっかり離さずに歩いた。
「これから屋上行くの?」
「知らねぇ、暇だから歩ってるだけ。」
「じゃあ私も一緒に歩く♪」
さらに腕を強く掴むと青沢が抵抗したが、私はお構いなく掴んでいた。
「おまえ授業あるだろ!暇なわけねぇじゃねえか!」
青沢の瞳を見る。
「青沢だって授業あるじゃん!」
青沢がまた頭をかいた。
「俺はいいんだよ!」
「なにそれ!じゃあ私もいいでしょ?」
青沢が再び抵抗し始めるが、私も負けじと掴んでいる腕を離さなかった。
「いいからおまえは教室でおとなしく勉強してろ!」
「嫌だ。青沢の傍にいたい!」
青沢の抵抗力が弱まり、ため息をついた。
「あーもう知らねぇ!勝手にしろ!」
「やったぁ♪」
私は青沢にくっついたまま一緒に歩いた。
「どこ行くの?」
「屋上行くしかねーだろ。」
青沢が再びため息をつきながら屋上へと向かった。
ふと窓の向こうの空を見てみると、まだ雨が止まないうえに、雷も鳴りつづけていた。